2007/12/30 Sun はあ？日本サッカー界の責任･･･？

「～（前略あり）報道によれば、運転手がドアのロックを忘れたのが事故の原因だという。愛息を亡くされたご両親からすれば、「なぜ！」と叫びたいお気持ちだろうとは思う。だが、無責任な第三者であることを自覚したうえで言わせていただくならば、吉●君の命を奪ったのはコーチではない。これは、ボランティアの情熱におんぶに抱っこを続けてきた、日本サッカー界の責任である。サッカーが、１１歳の少年の命を奪ったのだ…以下省略。」

＜原文＞
http://wsp.sponichi.co.jp/column/archives/2007/12/11_3.html

これ、とある超有名なスポーツライターさん（著書も複数読んだことあり）のblog記事なんですが、久し振りに「アホかいｯー!!」「ライターやめちまえー！」と言いたくなりました…。このお方は事故の内容をちゃんと確認していないんでしょうね。そもそもこのバス運転手（コーチ）はボランティアではありませんから。薄っぺらい三面記事（スポ●チ？）、上っ面のＴＶ報道を鵜呑みにしているからこんな内容になるんです･･･。報酬を得てライターしてるなら事故の要因や因果関係を出来る限り調べてから書くのが（事故内容が大きいので）筋だと思います･･･。てか仮にボランティアだったとしても、それをサッカー界に直結するのはお門違いですよ･･･！。底辺に位置するクラブの監督・コーチが引率やバス運転なんてのはサッカーだけじゃありません。野球だってバレーだって多くのスポーツがそうですからね･･･。一体どこをどう考えれば、ここまでぶっ飛んだ”飛び道具”出せるのでしょうか？

さて、その気になる事故に関して･･･。
亡くなった子供のご両親の気持ちは分かります。自分も子供がいるので自分の子供が同じ状況になればきっと泣き崩れるでしょうし、どこに悔しい気持ちをぶつけたらいいのか分からなくなると思います･･･。本当にご冥福を祈りたいと思います。そして残されたご家族3人には心中お察し申し上げます･･･。そう思います･･･。

そういう気持ちがある上で書きますが、報道陣に対し「大勢の子どもを預かる側として、やるべきことをやっていなかったことを残念に思います」と話し、自動車メーカーには走行中にドアが開かない工夫を求めた」そうですが･･･。そもそも根本的な原因はバス運転手であるコーチ？轢いてしまったトラック運転手？それともメーカー（TOYOTA）にあったのでしょうか？

＜判明している状況＞
■バス運転手（自動車運転過失致死容疑で逮捕）
1.手動モードでドアロックも解除していた
2.運転中に子供の状況を把握出来ていなかった

■トラック運転手（上記と同容疑で逮捕）
3.スピード超過（複数記事によると40kmオーバー）
4.前方不注意

■メーカー（TOYOTA、車種：コースター）
5.手動モード時には、わずか2キロ弱の力でドアのノブが動く（くるま総合研究会が検証）
6.ノブは幅2センチ、長さ10センチ

■亡くなった子供
7.ドアステップ付近にいた（ボール拾いに行った？）

上記に挙げた状況から過失がないであろうと考えられる項目を削除していくと、まずトラック運転手。スピード超過で逮捕なら分かりますが逮捕容疑が、転落した吉崎君を回避せずにひき、死亡させた疑いだというのは正直無理ではないかと思います。

マイクロバス転落事故の概念図

まず車間距離。煽り運転で蛇行していたならともかく車線が違う（三車線でバス中央、トラック左を走行）ので関係ないでしょうし、回避するといってもどう回避すればいいのか？左は壁で自爆覚悟がなければまず不可能、右は中央車線ですから後続車両を考えるとこれもしませんよね？あとは現状車線で急ブレーキでしょうか？仮に法定速度で走行していたとしても回避出来るかどうか？てか後続車両のことを考えたらそのまま突っ切るのが一番正解だと思います（私の記憶が正しければそうしろと教官から言われたような･･･）

次にメーカーですね。これも今回の事故の直接的原因ではないかと思われます。くるま総合研究会が検証は”わずか2キロ弱”という表現をしていますが、今回の場合は技術なトラブル（故障等）ではありませんから、それをバスの構造的問題にもっていくのはあまりにも考え方が陳腐です（報道関係はこのあたりを突っついていますけど）。とりあえずスライドノブなどの議論するのは見当違いもいいところです。

そして残ったのがバス運転手（コーチ）と子供･･･。正直ここが考え方分かれるところだと思います。
しかし、まず私が感じたのはそもそも手動モードで走行したのが自動車運転過失致死容疑となりうる問題なのか？ということです。ご家族は多分この部分に気持ちをぶつけていましたが、トースターの技術的な部分で考えると手動でないと防げないこと（火災時など）もありますから･･･。ここまで書くと最終的に書きたいことはあるのですが、それはまあ、控える事にしたいと思います。やはりこの事故に関わった全員が度合いの違いはあれど被害者でしょうから･･･。

ふう～長かった。最後のまとめ（意見）は書いていませんが書いていたらもっと長くなっていたかも。
とりあえずこれだけ調べるのに結構な時間がかかりました（初めてTOYOTA車の取扱説明書みましたよ･･･）そんな事故を「日本サッカー界の責任」と語る日本屈指のスポーツライター・・・終わってます。今度からこの方の著書は読まないようにします･･･。昔はこの方の著書良かったんですけどねぇ～。